2013年7月26日(金) 第186号 『懐かしの中国の風』

NABE and BAYASHIのNABEでお馴染み(なんでしょうか?)のタナベです。 第2回芸術祭に足をお運びいただいた方々、誠にありがとうございました。

さて、いきなりですが今回の花金では、2年前(2011年)の旅行記を綴ろうと思います。

行き先は、中国。主に、江蘇省を訪れました。 本学の学術交流協定校である蘇州大学がある地です。

国際交流担当時代に出逢った留学生や研修生が、江蘇省そして蘇州市の素晴らしさをたくさん伝えてくれていたので、一度は訪れたいと思っていました。

2011年9月初旬。飛行機の遅れから、上海浦東国際空港に到着する頃には、上海→蘇州行の公共交通機関が終電時刻を過ぎており、出迎えてくれた留学生・研修生とともにタクシーでやっとこさ蘇州へ。


荘厳たる蘇州駅

 

翌日、彼らの案内により、まずは蘇州大学の見学をさせていただきました。

蘇州大学は、1900年東呉大学として開かれ、創立100年を優に超えております。
様々な大学との統合を経て、その規模を拡大してきた蘇州大学は、現在、全学生数にして約50,000人と言われており、今でも規模の充実が積極的に図られています。

キャンパス毎に、歴史を感じる場所、時代の最先端を感じる場所、その両方を味わえるのも魅力の1つと言えるでしょう。


本部キャンパスにそびえる歴史を感じる建物たち


東呉大学時代の門も残っています

 


19階建ての「凌雲楼」。その名前に本学との繋がりを感じることができます

 


こちらは、別キャンパスに位置する「蘇州大学 応用技術学院」

 


こちらは、新キャンパス。手前に見える不思議な建物は、何と図書館!

 

こんなに広いキャンパスで学んでいる蘇州大学生は、1学部1学科で全学生数900人程度の宮崎公立大学を訪れると、その規模の差に大変驚きます。 しかし、宮崎公立大学で学んでいくうちに、本学のような小規模の魅力も感じていただけるようです。(安心安心)

 

さて、面積が宮崎県の約13倍もある江蘇省。言わずもがな、その魅力はほんの数日の滞在では満喫しきれないほどあります。 その中で、私が体験できた江蘇省の魅力をお伝えいたしましょう。

例えば、水路。

 

この「平江路」は、いい意味で「観光地化」し過ぎていない、蘇州の日常を感じる町並みです。 この川沿いを歩くと、ゆったりとした気分になることができました。

ちなみにこの橋は、「思婆橋」という、宋代に造られた橋で少なくとも千年以上の歴史があるのだとか。

 

こちらは、蘇州から少し足を伸ばして「周庄」。


この「双橋」の通称は「鍵の橋」。その原型は、明の時代に建設されたそう

 


ちゃっかり船にも乗りました。女性の船頭さんが歌いながら漕いでくれました

 

マルコ・ポーロが蘇州を「東洋のヴェネツィア」と表現したのは有名な話ですが、この風景をご覧になれば、その言葉が生まれる所以を感じて頂けるでしょう。 (かくいう私は『東方見聞録』を読んだこともなければ、イタリアに行ったこともありませんが…)

 

江蘇省の魅力。例えば、庭園。
この旅では蘇州四大園林の1つ、「拙政園」を訪れました。

拙政園は、明代の高官であった王献臣が、官僚を追放されたことにより「愚かなものが政治をつかさどる」という意味で「拙政」と名付け、造園したという説があるそうです。

 

水を中心に緻密に作られたこの庭園は、蓮の広がる池や船を模した館等、一つ一つに唸りどころがあります。政界を離れた王献臣が、その後の暮らしを伸び伸びと生きようとした…そんな思いが感じられました(私には)。

一番印象的だったのは、この建物。 四方の壁に穴が空いてあり、それぞれの穴から見える景色で四季を表現しています。

 


左上が春、その右は夏、左下が秋、その右が冬

 

 

さて、人生初の中国滞在から早2年が経とうとしていますが、こうした風景や建造物とともに思い出すのが、中国語の響きの心地よさ。

もともと言葉や音に関心がある私は、中国滞在中にあちらこちらで耳にした、流れるような音と空気を巧みに使った発音に大変魅力を感じました。 (自らも修得したいと思いながら、未だ何一つできておりません。)

 

そんな中、今週末、この中国語の「音」に触れられる行事が開催されます。
それは、宮崎公立大学の学生が運営する「第3回 凌雲杯 中国語コンテスト」です!

このコンテストは、平成23年に、蘇州大学への交換留学を体験した当時の学生が「宮崎からも、学生による中国語や中国文化浸透の流れを起こしたい」という思いで企画されたもので、以降、毎年開催されています。

宮崎公立大学生をはじめとした県内の学生が日頃の中国語の学修・練習の成果を披露する場として、今年度は、コンテストとしての「スピーチ部門」と、観覧される皆さんに中国語を楽しんでいただく「漢詩暗唱部門」「早口言葉」部門があります。

さらに、現在、宮崎にて1カ月の短期研修を行っている蘇州大学生による発表もあります!

下記日程で開催されますので、ぜひ足をお運びください!

 

「第3回 凌雲杯 中国語コンテスト」
 2013年7月28日(日) 午前10時開場 午前10時20分開会
 宮崎公立大学 交流センターにて (観覧無料)

なお、過去の凌雲杯の開催の様子は、以下のニュースをご覧ください。
「第1回 凌雲杯」
「第2回 凌雲杯」

 

【おまけ】

最後は、中国旅行の最後に体験した上海のリニアモーターカー(磁浮列車)をご紹介します。

上海市内の龍陽路駅と上海浦東空港をつなぐこの乗り物は、なんと最高速度431kmを記録。 約30kmの距離を7分20秒で移動できちゃいます。