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辻教授が総務省九州総合通信局より表彰を受けました!

2012年06月21日

 

平成24年6月1日に熊本で開催された九州総合通信局による「電波の日・情報通信月間」記念式典において、電波利用及び情報通信の発展に功績があったとして、本学の辻利則教授(ネットワーク演習)が「電波の日表彰」を受けました。
辻教授は、「ホワイトスペース活用によるUHF帯広域無線伝送システムに関する調査検討会」の作業部会長として、その活用の提言をまとめるなど、電波資源の有効活用と地域活性化の促進に貢献。今回、このことについて辻教授へのインタビューを行いました。

 


 

辻教授、おめでとうございます。まずは、率直な感想をお願いします
ありがとうございます。ネットワークに関する九州で一番大きな行事にて表彰を受けたことはとても嬉しいですね。

 

この調査に至った経緯をお聞かせください
平成20年から21年にかけて、SCOPE(※)として、えびの市でIT活用環境の開発をしていました。その時は、無線LANの施設を設置し、iPod TouchやPlay Station Portable を用いた地域情報化を行っていたのですが、その研究を受けて今回の調査メンバーとして九州総合通信局さんから委嘱された、という流れになります。
 

(※SCOPE…総務省による競争的資金の1つである「戦略的情報通信研究開発推進制度」のことで、Strategic Information and Communications R&D Promotion Programmeの略)

 

今回の調査検討会の内容をご紹介してください。いったい、ホワイトスペースとは…?
テレビ放送用の電波がありますよね。元々、電波のチャンネルは数十チャンネルありますが、実際に使用されるのはごくわずか。特に宮崎では、4チャンネル分しか映らないでしょう?(笑) そして、放送されるチャンネルの数字は、飛び飛びになっています。それは電波の混信を防ぐために敢えて空けているのですが、この未使用の電波をホワイトスペースといいます。今回の調査は、このホワイトスペースの電波をどう利活用できるか、というのがメインテーマでした。
 


なるほど、そしてどのような結論が得られましたか
はい、電波は様々な活用方法ができるんですね。インターネットで活用したり、テレビ・ラジオ電波として活用したり。国としても様々な可能性を模索しているわけですが、私たちとしては今回の調査を通じ、防災情報の発信や、猪・鹿などの動物侵入のセンサーとして活用をすることで、地域に役立てられることを提案しました。また、電波の強さによって、その速度や届く範囲など特性が変わりますので、それぞれの持ち味を生かしたハイブリッドな活用法が考えられると思います。

 

辻教授らしい、人の役に立つネットワークの活用案が出たのですね
そうですね。もともと、私は大学時代に「電力」を専門としていましたが、宮崎公立大学に来た頃に大学でインターネットができるようになり(その頃は宮崎県内の研究機関だけ)、その当時からネットワークの勉強を始めました。宮崎公立大学として何を行おうかと考えたときに、専門外でしたが地域への貢献という観点から「福祉」に注目しました。そして、平成14年から16年にかけて、障がい者の方向けのトイレマップを、近隣の小学校と協力して作成してホームページで公開するなど、様々なネットワークの活用法を考えてきました。現在は防災のシステムに取り組んでいますが、ネットワークだけを考えたり、福祉のことだけを考えたりするだけでは生まれない発想を生み出していきたいと思っています。

 

学際的な発想ですね。ネットワークの世界は、これからもまだまだ進化するのでしょうか
そのとおりです。活用方法はいくらでも広がるので、新しい技術を習得し工夫すれば、できることがたくさんあります。私は1年に1つは新しいテーマを勉強することを心掛けています。最近は、動画編集に関する技術を磨いたり、システム開発のためのCakePHP(※)の習得をしたりしました。少し勉強するだけで、以前は難しかったことが簡単にできるようになってきているんです。60歳になってもプログラミングはしていたいなって思うんですよ。
(※CakePHP…ウェブ開発で使用されるプログラム言語(PHP)の、開発を容易にするための雛形)

 

 

 
生涯学習宣言ですね! 最後に、学生に向けたメッセージをお願いします
ぜひ、自分の身の回りの「不満」を探してください。もし自分の生活で不満を感じない場合は、人が抱えている不満を探しましょう。私は市民の方々と対話をすることで、様々な不満を知り、それらを自分の技術で解決できる方法はないかを模索します。数式ではないですが、数学の問題を解くのと同じで、必ず答えはあるので、足したり引いたり、いろいろな組み合わせを考えます。そのプロセスや、改善に至った時の喜びが、私の研究のモチベーションなんです。<

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