平成27年6月26日(金)第275号『和の世界への入門』

宮崎も梅雨に入ってしばらく経ちました。

まだまだ夏は迎えさせないとばかりに、ジメジメ、しとしと、ぽつぽつ、ザーザー…といった日々が連日続いています。

学内の紫陽花。見頃は終盤ですが、まだまだキレイ!

「雨なんて嫌だなぁ…」という思いもあるでしょうが、逆手にとって、雨を楽しむことを考えてみましょう。

 

一息に「雨」といっても、日本語には時期や降り方、タイミングによって、様々な呼び名があるようです。

(最近読んだコラムにも、世界中で一番雨が好きな民族は日本人だ!といったものがありました。)

せっかくなので、クイズ形式でいくつかご紹介してみましょう!

 

①肘笠雨(ひじがさあめ)

☆ヒント: 肘を笠にするような状況で降っている雨とは・・・?

 

②天泣(てんきゅう)

☆ヒント: 別名は「○○○の嫁入り」というようです。

 

③薬降る(くすりふる)

☆ヒント: 昔からの言い伝えで、その日に降った雨だけ、そう呼ばれるそうです。難問!

 

 

・・・さて、それぞれどんな雨か想像できたでしょうか?

正解は、以下の通り!

 

①肘笠雨(ひじがさあめ)

→ にわか雨のこと。袖笠雨(そでがさあめ)ともいう。笠をかぶる間がなく、肘をかざして袖を笠のかわりにしたことからできた言葉。

 

②天泣(てんきゅう)

→ 空に雲が無いのに細かい雨が降ってくること。狐の嫁入りとも呼ぶ。

 

③薬降る(くすりふる)

→ 旧暦5月5日に降る雨のこと。この日は薬日とよばれ、この日に降って竹の節にたまった雨水(神水という)には薬効があると伝えられている。

 

…とのことでした!まだまだ、緑雨、寒九の雨、卯の花腐し、御山洗、洗車雨…など、雨を表すたくさんの単語があります。

雨の日だからこそ、雨を楽しむのもまた一興。興味があれば、ぜひぜひ、調べてみてください。

MMUのシンボル、椿の葉も、雨の恵みで艶々です。

 

古来からの「雨」の呼び名について、見てみたところでもう一つ。

古来からの芸能文化について、学んでみましょう。

 

MMUでは、毎年、市民の皆さまを対象に実施している様々な企画の中で、「市民講座」という連続した講座を開設しています。

今年度は、『能・狂言入門講座』と題し、前々回のはなきん(第272号)でも紹介のあった能舞台を活用し、能・狂言について専門家から学ぶ、全6回の講座を開催しています。

ありがたいことに、本講座は定員をはるかに超えるたくさんのご応募をいただき、満席で開催しております。

ご参加が出来なかった皆さま方に、少しですが、今週の水曜日(6/24)に開催した第1回の様子をお届けいたします。

 

会場の様子。受講者の皆さまの熱心さが伝わります。

第1回の講座内容は「能と狂言の歴史」をタイトルに、能と狂言の生い立ちから、現在の能・狂言になるまでの歴史、そして、なぜ伝統文化と呼ばれるかについて学びました。

奈良時代まで遡り、中国の民間芸能「散楽」が渡来し、日本古来の民間芸能と融合したものが能・狂言の始まりであること…といった歴史の話はもちろん、お箸やご飯、魚の方向、靴下はどちらから履くか…といった私達の普段の生活に根差す文化や慣習が、実は能・狂言と深いかかわりを持つことなど、教科書には出てこない、新たな観点から能・狂言の歴史を学ぶことができました。

 

本講座講師の杉岡敏英先生

第2回は、「能・狂言の特徴とその構成」をタイトルに、能・狂言の特徴を他の舞台芸術等と比較してみてみたり、総合芸術である能を色々な役柄の面から考えてみたり…とまた違った角度から、能と狂言について学びます。(参加者の皆さんで、「謡(うたい)」にチャレンジしてみたりもするようです!)

日頃触れる機会の少ない「和」の世界。

この機会に受講者の皆さま方に、少しでも新たな発見と学びのある時間となりますように・・・!

 

最後に、本学では、「和」の世界だけではなく、様々な学問の世界への入門(?)の機会を設けています。

詳しくは、本学ウェブサイト「地域貢献」ページにて随時お知らせしていきますので、ぜひ、ご活用ください。

 

以上、入門している和の世界といえば茶道!の企画総務課ヒライがお送りしました。

ダンゴムシは何の世界へ入門するのでしょうか…?