
2月14日(木)と2月21日(木)の2回に分けて、平成30年度宮崎公立大学公開研究発表会が開催されました。
本発表会は、本学で行われている多様な研究の成果を地域の皆さまに還元するためのものであり、宮崎市学術研究振興助成事業の助成を受けて実施されました。
2月14日(木)の発表会では、「母親のメンタルヘルス増進のための資源活用に関する大規模基本調査と介入実行可能性に関する研究」と題し、研究代表者である川瀬(隆)教授から研究概要の報告、研究分担者である立元教授(宮崎大学)と岡本先生による発表が行われました。あわせて、同じく研究分担者である野﨑准教授から、本研究を引き継いだ形で行われている研究成果の中間報告が行われました。
はじめに、研究代表者である川瀬(隆)教授から、宮崎市の乳幼児を持つ母親を研究対象として行った本研究の概要について、説明がなされました。
次に、立元教授からは、乳幼児を持つ母親のメンタルヘルス向上のためにはどのような思考法が効果的であるのか、心理学の観点から説明が行われるとともに、母親のメンタルヘルス向上のためには周囲の支援が重要であるとし、乳幼児版ペアレントトレーニングをはじめとする現在取り組んでいるその支援方法について、報告がなされました。
その後、岡本先生からは、母親のメンタルヘルス向上に関する実践的な対処方法について、アンガー・コントロールをはじめとするそれらの対処方法を、ご自身の体験も交えて説明していただきました。
最後に野﨑准教授から、「子育て問題に悩む親の相談行動を抑制する要因の解明―子育て相談の促進に向けた方策提言―」をテーマに行っている研究成果の中間報告が行われました。
2月21日(木)の発表会では、「宮崎における21 世紀型地域アイデンティティの構築~観光・歴史・郷土教育を中心に~」と題し、“地域アーカイブ”、“みやざきイメージ”、そして、“ひむかかるた”をキーワードとして、研究分担者である倉准教授と森津准教授、そして、研究代表者である梅津准教授による発表が行われました。
はじめに、倉准教授の発表では、宮崎交通が所蔵する昭和30年代から50年代に撮影・制作された貴重な映像フィルㇺの復元・保存方法について説明が行われるとともに、これらの資料がいかに地域アイデンティティの構築に作用するかについて、解説がなされました。
次に、森津准教授の発表では、宮崎県の新婚旅行ブームをはじめとする宮崎における「地域イメージ」を検討材料として、誰のために「宮崎イメージ」を作り出すのか、地域全体で考える必要があるとの問題提起がなされました。
最後に、梅津准教授の発表では、宮崎県の郷土かるたである「ひむかかるた」について、宮崎市内の小学校における取組事例を紹介するとともに、“うちも良いけれど、よそも良い”といった開かれた郷土愛を醸成することが重要であり、そのための1つのツールとして「ひむかかるた」が活用されているとの報告がなされました。
また、会場内には研究発表に関連する資料として、「ひむかかるた」が展示されていました。
宮崎公立大学は、人文学部ならではの多彩な専門分野をもつ教員により、これからも宮崎における課題解決のために努めてまいります。