人文学の基本となる哲学、歴史学、文学の研究に加え、英語を中心とした言語研究や文化の多様性とそれらの比較研究によって、グローバル化する人間文化の本質を理解します。
■ 科目PICK UP 《宮崎県史研究》
近世期の日向国は豊臣政権による領域確定の結果、北から延岡・高鍋・佐土原・飫肥・薩摩各藩領となり、18世紀末までに幕領・旗本領が設定されました。藩領はいわば「国」であり、それぞれの藩政のもとで独自の風俗や慣習・文化が育まれました。現在の私たちがそうした「地域文化」を知るには、現存されている「歴史史料」を利用するしかありません。本講義では、近世中後期に日向国を訪れて各地を巡回して書き残した「旅日記」をとりあげ、旅行者の目を通して見た日向国内の風俗・慣習・文化をみていきます。
■ 科目PICK UP 《中国文化論》
"中国"は古い文明国であるだけでなく、21世紀の世界秩序形成に深く関わる勢力です。また、日本にとって"中国"は有史以来今日まで大きな存在であり、日本の社会と文化は殆ど全面的と言ってよいほど多方面に深い影響を受けて来ました。「和」「きもの」「元号」「天皇」「禅」...今日の日本で「日本らしさ」を構成している要素の多くが中国起源です。その圧倒的な存在感と影響力にどう向き合うかは歴史上常に日本の課題であり、今日また新たに切実さを増しています。本講義では、前半で中国文化を特徴づける幾つかの切り口を選んで中国文化についての理解を深め、後半では日本は"中国"とどのように向き合い、どのように日本を形成して来たのかについて、理解を深めます。
准教授 村上 幸大郎
Murakami Kotaro
英米文学の一番の魅力は、イギリスやアメリカなど英語圏の文化をダイレクトに知ることができる点にあります。時代も言語も日本とは異なるので、とっつきにくい印象があるかもしれません。しかし、歴史や英文法などの背景知識を身につけて、文学の手法や小説について理解を深めていくのはとても楽しい作業です。
関連分野:英米文学
教授 ネイサン ダッカー
Nathan Ducker
異文化の相手と話すときは、さまざまな文化の違いをマスターする必要があります。この講義では、そのような違いについて概要を説明します(全て英語による講義)。
関連分野:外国語学、異文化間コミュニケーション
准教授 寺町 晋哉
Teramachi Shinya
実は学校で生活していると、非常に多くの「もの・こと」が「性別」で分けられています。「性別」は私たちの学校生活へ大きな影響力をもっています。本講義では「ジェンダー」という考えを用いて、学校に潜む「性別」の影響力について考えていきます。
関連分野:教育社会学、社会学、人文学
准教授 川瀬 和也
Kawase Kazuya
「心」って何だろうという疑問を持ったことはありませんか? 人間が物事を考えるのは脳の働きだということを重視すれば、心とは脳と神経が集まった単なる「物質」と言えるでしょう。しかし、同じ物を見ても、人によって感じ方はさまざまです。心が単なる物質で、「考える・感じる」という行為が、脳内の信号のやり取りだけで行われているのならば、感じ方が人それぞれ異なるという現象をうまく説明できないでしょう。「哲学」の分野で、「心は単なる物質」と考えることを「一元論」、「心は物質とは違う何か」と考えることを「(心身)二元論」と呼び、頻繁に取り上げられるテーマです。
関連分野:哲学、論理学、倫理学、心理学