社会学や情報リテラシーを学びながら、特にメディアとの関係で、人間の社会行動を研究します。メディアを通して、情報や知識が作られ、それらが社会に広がり、社会を変えていく過程についての研究を通して、グローバル化する人間文化を理解します。
■ 科目PICK UP 《社会心理学》
尊敬できる友人との出会いは私たちの考えや行動を大きく変えていく。一方、気の合わない人々の中で本当の自分を偽り続けることもある。あこがれの人に思いを届けたいと一生懸命になることもあるし、思いが届かず落ち込んでしまうこともある。夢に向かって進む先輩を真似して努力することもあれば、至らなさを指摘され大いに反省することもある。私たちの周りには常に人がいる。私たちは常に周りの人たちに影響されているし、周りの人たちに影響を与えてもいる。社会心理学はそんな社会的存在としての人間の心の性質を研究する学問である。講義では、日常的な事例や社会心理学の研究成果を取り上げ、人の認知や行動の特徴・傾向について説明しようと思う。また、人間関係に関する専門的知識を提供し、他者との協働を目指す態度について考察しようと思う。
■ 科目PICK UP 《広告文化論》
本講義は、メディア・コミュニケーション専攻で必要な専門知識の修得を目的とし、「広告」という媒体を通して、私たちが暮らす社会や文化への理解を深めていきます。日常生活において、メディアから繰り返し発信される広告は、私たちにとってとても身近なものです。街中で、またテレビ、雑誌、スマホを見ても広告は存在し、広告を通して私たちは新しい商品や情報に触れることができます。広告は商業的な宣伝活動と捉えられますが、そこでの表現方法やメッセージは、送り手と受け手のコミュニケーション、意味の共有のもとに成立しています。私たちが「ある広告」を理解できるのは、その「広告」が、私たちが生活の中で培ってきた社会的・文化的な価値を表現しているからであり、広告主のメッセージと消費者の理解がうまく成立した広告は「記憶に残る」広告となり、失敗したものは「炎上」する場合があります。つまり広告の表現とそれに対する人々の反応は、その時代の「価値」を反映したものであり、本講義では広告を通して社会の在り方を検討していきます。
講師 ラスルマナナ ウンジャニエン ミアニンハリズ
Rasolomanana Onjaniaina Mianin' Harizo
救急医療の需要は全国的に年々増加傾向にあります。しかし、救急車の増車や救急隊員の増員にかかるコストは膨大で、必要だからとむやみに数を増やすと自治体の負担が増えて、やがて市民生活を圧迫します。そこで、救急サービスの運用を最適化する取り組みとして、データサイエンスの技術が活用されています。
関連分野:データサイエンス
教授 森部 陽一郎
Moribe Yoichiro
スマホは、今やほとんどの人がなくてはならないモノとして利用しています。なぜ、こんなに広がったのでしょうか? その理由を、使うための操作方法やその概念「インターフェース」という視点から考えていきましょう。そこからいろいろな問題が見えてきます。
関連分野:情報デザイン
教授 川瀬 隆千
Kawase Takayuki
ボランティアはもっと称賛されてよい行為ですが、日本では海外に比べるとあまり評価されていません。これは、日本にはまだ「村社会」的な心性が残っているからだと考えられます。村の中では住民同士の連帯感が強く、深く結びついていますが、一方で、村の外に対してはあまり関心を示さず、関係も希薄だという傾向にあるのです。この心性は、地域社会、企業、学校などさまざまな社会に蔓延(まんえん)しており、この閉じた人間関係を開放していくことが大きな課題となっています。ボランティアの機運はその意味で、日本の閉じた社会を変える契機になるかもしれません。
関連分野:社会心理学
准教授 梅津 顕一郎
Umezu Kenichiro
最近SNS上で話題の推し活。人々はなぜ推し活にはまるのでしょうか。本講義では、マーケティング等で指摘されている推し活の特徴について整理し、社会学の見地を手掛かりにしながら、情報化の進んだ今、なぜ「推し」なのか、その意味合いについて考えます。
関連分野:若者文化の社会学