私は約10カ月間、韓国の蔚山大学校に留学しました。私にとってこの留学生活は一生忘れられない、大切な思い出になりました。
留学を終えた今、振り返ってみると、留学が始まる前には不安が多くありました。初めて親元を離れ、初めての海外、慣れない土地でやっていけるのか、授業にはついていけるのか、など本当に不安で心配もたくさんしました。しかし、自分がずっと好きで学んできた韓国語をもっとのばしたい、直接韓国の文化に触れてみたいという気持ちが強く、留学を決意しました。
いざ留学が始まってみると、あの心配は杞憂だったなと思うほどにすごく充実した生活になりました。もちろん初めのころは、教科書やドラマで聞く韓国語とは違い、早口でなまった韓国語に苦労しました。しかし、しばらく生活するうちに自然に聞き取れるようになり、会話を楽しむことができるようになりました。
韓国で生活するうえですごく驚いたのが、日本に関心を持っている人の多さです。実際に留学中にも「すずめの戸締まり」が韓国で大ヒットしていたように、日本のアニメや俳優、アイドルなどに興味を持ち、日本語を勉強している韓国の方に多く出会いました。その中で日本について話しているうちに、日本の良さにも気づくことができました。また、カフェなどに行き、私たちが日本人とわかるとサービスをしてくださる方もたくさんいました。留学前は、日本にあまりいいイメージを持っていない人が多いと思っていたので、すごくうれしかったです。
また、大学での授業は、おもに外国人向けの授業をとっていました。中でも印象的だったのが「韓国の文化Ⅰ」の授業です。この授業には、中国、ベトナムなど、様々な国からの留学生がいて、最後の授業では自国の文化について発表を行いました。多国籍の学生たちが韓国語で発表をしているのが新鮮でしたし、様々な文化について知ることができてすごく面白かったです。また私は日本にいる時から、自分の意見を積極的に発表することが苦手で、韓国語にも自信がなく、さらに意見を言うことが怖くなっていました。しかし、他の国の学生たちが、たどたどしくてもしっかりと自分の意見を言うのを見習って、積極的に意見を言えるようになりました。
韓国での留学を経験したことで、自信がついたと思います。自分の短所として知らない人と話すのが苦手、一人で行動するのが苦手という部分がありました。しかし、留学中、韓国ではもちろん知らない人ばかりでしたが、韓国にいる間だけでも積極的になろう、と決めました。その結果、掲示板などを活用して、友達をたくさん作ることができました。また、友人に会いに、地下鉄などに乗り、釜山やソウルに行ったこともありました。初めて海外を一人で行動し、わからないことは人に聞きながら、無事にたどり着いた経験が「一人でもできるじゃん!」と自信につながりました。
私は、今回の留学経験を生かして、観光系の職業に就き、日韓それぞれの良さを伝えたいと考えています。今は10月の韓国語能力試験で最上級の6級を取得できるように、学習を続けています。留学中に、一生懸命勉強をする韓国人学生や、他の国の留学生を見て、良い刺激を受け、勉強を頑張ることができています。
最後に、交換留学という貴重な機会をいただいたこと、サポートしてくださった国際交流係のみなさん、留学中に出会ったすべての方々に感謝でいっぱいです。ありがとうございました。