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研究発表「超低強度筋力運動が大動脈血圧上昇を抑制 ―上腕血圧との違いを解明―」
【研究者情報】
宮崎公立大学 人文学部 田川 要 講師
宮城教育大学 保健管理センター 橋本 潤一郎 教授
【概要】
近年、習慣的に筋力運動を行う人々は、世界の死因第1位であるCVDの発症リスクが低いことが報告されました。一方で、筋力運動は強度を下げても血圧を著しく上昇させるため、特に高血圧患者では臓器障害のリスクを伴う可能性が指摘されています。
本研究では、日常生活で持ち上げる程度の重さのダンベル (片側約1 kgの重量を両腕で実施) を用いて、超低強度筋力運動が大動脈血圧に及ぼす影響を検討しました。明らかな疾患のない若年男性16名を対象に、超低強度 (最大筋力の10%) アームカール (ダンベルの挙上と降下を繰り返す運動) を行う条件、低強度 (最大筋力の40%) アームカールを行う条件、そして運動を行わない条件を設定し、上腕血圧と大動脈血圧の変化を比較しました。
その結果、運動後の大動脈血圧の上昇は、低強度運動に比べて超低強度運動で有意に小さいことが確認されました。一方、上腕血圧の上昇は運動強度に依存せず、いずれの条件でも同程度でした。
これらの結果から、筋力運動後の血圧応答には大動脈と上腕動脈の間で差異があることが明らかとなりました。超低強度筋力運動による有益な効果は、大動脈血圧の評価を通じて初めて確認されたものであり、運動中および運動後の大動脈圧の過剰な上昇を抑制するために、超低強度は比較的リスクの低い運動強度として有用である可能性が示されました。
【論文情報】
タイトル:Effect of very low-intensity resistance exercise on aortic-brachial blood pressure disparity in young men(若年男性における大動脈-上腕血圧の乖離に対する超低強度筋力運動の影響)
著書:Kaname Tagawa and Junichiro Hashimoto
掲載誌:American Journal of Hypertension
DOI:10.1093/ajh/hpaf172
【詳細】
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【問い合わせ先】
(研究に関すること)
田川 要(たがわ かなめ)
宮崎公立大学 人文学部 講師
TEL:0985-20-4813
E-mail:tagawa@tt.miyazaki-mu.ac.jp
(取材・報道に関すること)
宮崎公立大学 企画総務課
TEL:0985-20-2000
E-mail:soumuka@miyazaki-mu.ac.jp