野球やサッカーなどのプロスポーツの春季キャンプが始まり、南国宮崎は賑やかな雰囲気が漂ってきました。
そんな中、ここ宮崎公立大学では、後期定期試験が終了(2月4日(木)まで)してホッとしたのもつかの間、2月5日(金)に「基幹演習B」全体発表会が行われました。
基幹演習の様子については、2015年7月3日(金)第276号『グループなワークとメカニックなワーク』でお伝えしましたが、この秋から冬にかけては、その発展系である「基幹演習B」で開講されましたので、まずはその演習について、簡単に説明をさせていただきます。
「基幹演習B」とは何かを説明するために、シラバス(講義計画書)を見てみると…
【概要】
グループワークを通じて、グローバル化し複雑化する地域の課題を発見し、その実践的解決策を模索します。
「基幹演習B」では、各ゼミに分かれ、ゼミ内のグループワークを通じ、外部講師による2回の講演を参考に、皆さん自身が地域の具体的課題を発見し、その現状や背景をさぐり、具体的な解決アイディアを模索していきます。
講演(第2回、第3回。2ゼミ合同で4グループに分かれる)では、地域で活動している方をお招きして、地域をテーマにした講話をしていただきます。そして、その講話を基に、自分たちの手で問題(課題)を発見し、現地視察やインタビューなどの情報収集活動やグループディスカッションを通じてより本格的に考察していきます。
グループワーク(第4回~13回)では、各ゼミ内で3~4程度のグループに分かれ、グループごとに解決策を考えていきます。ここでは、①問題を発見し、②解決のために必要な情報(単に現状だけでなく、問題の原因となる背景や解決策として優れた先進事例など)を的確に把握し、③論理的な思考力に基づいたディスカッション等を通じて解決アイディアを模索します。また、プレゼンテーションの準備も行います。
ゼミ内発表会(第14回)では、グループごとに考えた解決アイディアについてのプレゼンテーションと、ディスカッションを行います。さらに優秀なグループ(各ゼミ1グループ)が、合同発表会(第15、16回)で発表を行います。
【到達目標】
①問題発見能力、論理的思考力、情報収集力、情報整理能力等のアカデミックスキルを身に着ける。
②ディスカッション等を通じたアカデミックなコミュニケーションスキルを身に着ける。
②チームワークや責任感などの社会人スキルを身に着ける。
「基幹演習B」では、「基幹演習A」で身に付けた①「的確にリサーチした情報を整理分析し、深く考える力」、②「異論をぶつけ合い、論理的に整理しながら共通見解を作っていく力」、③「常に全体の協力関係に目を向けつつ自分の役割を的確に判断し、責任を果たす力」を、より高度化するとともに、新た問題発見能力を身に着けることも求められます。
また、「基幹演習A」同様、③については他の演習以上に重要視されます。
(宮崎公立大学平成26年度「基幹演習B」シラバス(講義計画書)からの引用、一部修正)
…のような講義(演習)とのことです。
それではここからは、当日の発表会の様子をお伝えしていきます。
本日行われた全体発表会では、後期の半年間、2年生全員が8ゼミに分かれてそれぞれ活動を行ってきましたが、それぞれのゼミから選び出された8グループによる発表が行われました。
まずは、タナカ学部長による挨拶から始まりました。
今回の発表会では、学部長からのサプライズとして、最優秀グループには、記念品が授与されるとのことです。
次に、本日の発表順を決めるくじ引きです。
最初に発表をして気をラクにして他の発表を聞いた方がいいのか、最後の発表順を引いてそれまでの発表を踏まえた上で発表をするのがいいのか、考え方が分かれるところです…(ちなみに私アラキは前者です。早くラクになりたいです。)
そしていよいよ、発表が始まりました。
これまでの演習で各ゼミが取り組んだ各テーマは、以下の通りです。
テーマ①:地域と学び
「青少年の健全育成と非行防止」 ・ 「学校教育の課題について」
テーマ②:子どもと家族
「児童虐待の問題」 ・ 「ネット時代の大人の責任」
テーマ③:「グローバル化と地域経済」
「企業誘致について」 ・ 「グローバル化と宮崎の農業」
テーマ④:観光資源と歴史遺産
「観光産業の課題」 ・ 「宮崎の歴史および文化財の概要について」
これらのテーマについて、外部講師の方々から話を聞き、それらについて自分たちで考え、現状や課題、その解決方策について、議論を交わし、本日はその集大成の場となりました。
発表の後は、今回の「基幹演習B」において、多大なるご協力をいただきました外部講師の方からコメントをいただきました。
今回の全体発表会では業務の都合上、講師の方お一人のみのご出席でしたが、この前段となるゼミ内発表会(第14回講義)には、多くの講師の方にご出席いただきました。お忙しい中ご出席いただき、ありがとうございました。
最後は、この基幹演習の立ち上げから運営まで尽力してくださったウメヅ先生による講評です。
ここで最優秀グループの発表が行われ、見事モリツゼミ(テーマ「観光産業の課題」~宮崎のホテル 外国人観光客への対応について~)のグループが選ばれ、学部長賞として、図書カードが授与されました。
ウメヅ先生の講評の中で、 「今回のゼミ(演習)を通して、宮崎のことを少しは深く知ることができたと思う。今後、宮崎のことをより良くして行きたいと思うのならば、その第一歩として、まずは“宮崎マニア”になれ!」という言葉が印象的でした。
今年度から開講した「基幹演習A」「基幹演習B」には、“地域の問題を素材に、地域について考えるきっかけを作る”という考え方があります。
今回の演習で取り扱った各テーマは、地域が抱える諸問題の氷山の一角に過ぎません。今回お越しいただいた講師の方々以外にも、現場の方々や地域行政に関わる方々をはじめ、多くの方々がよりよい地域を創ろうと尽力してくださっています。
今回の経験を糧にして、1人でも多くの学生が、直接的・間接的の別を問わず、少しでも地域のことを考え、行動してくれれば幸いです。