「つい最近宮崎に来たようです」、
「あっという間に宮崎での生活が終わってしまいました」
これは、明後日2月12日に韓国へと帰国の途に着く蔚山(うるさん)科学大学生の声。
筆者は、蔚山科学大学からの初代交換留学生を受け入れた
本年度の国際交流担当であったことを光栄に思う。
崔(チェ)スヒョンさんと南(ナム)ジュンヨンさんは、この歴史なき留学制度に対し、
不安、不明、不思議…様々な「不」に直面しただろう。
それでも、彼らは本学の教育課程や各種制度に順応し、この地での生活にすぐに慣れていった。
事務局を訪れる時は常に笑顔で、日本語でユーモアたっぷりに日常あったことを話してくれた。
(一緒に写っている2名は中国・蘇州大学からの交換留学生)
特に、南さんについては、英語専攻であり、留学開始直後はほとんど日本語を話さなかった。
しかし、宿舎での地道な努力や失敗を恐れないコミュニケーションの姿勢を以って、日に日に、着実に、その語学力は成長していった。
これは、2月6日、タウン誌の取材を受けている2人。インタビューのやりとりはもちろん全て日本語。この中で、宮崎に対する印象を聞かれ、「本当に人が優しい。心に余裕があると思う」と約半年過ごした街について語っていた。
「時間が過ぎていくものではない」という意見を聞いたことがある。
そうではなく、時間は増えるものだ、とか、時間は消えていくものだ、とか。
私は、「自分の時間帯(おび)を伸ばしていく」という感覚を抱いている。
自分が知らない過去の『時間』を感じることはできない。
生まれたときを零(ゼロ)として、時間というゴム状の帯が伸び続けているように感じるのだ。
そして、その伸びるスピードは、きっと、充実の度合いに比例して早くなる、そう感じる。
これは、2月7日に行われた海外短期研修事業「異文化実習」で、中国・蘇州大学を1カ月間行く団員51人の結団式の様子だ。
また同じ時期に、28人の団員がニュージーランドへ異文化実習に向かう。
5カ月ですら「あっという間」と表現される海外での生活。
1カ月の短さは、果たして何という言葉で表せよう。
何か行為に至る前に、その行為について「思い出づくり」というラベルを貼ることに、筆者は大きな違和感を覚えるが、振り返る時間帯が長ければ長いほど、そこには数え切れない思い出となって詰まっているはずだ。
毎日、様々な物を感じ、様々な事を体験し、様々な人と話してほしい。
そして、将来その時期を振り返る際に、より色とりどりの帯が眼前に広がるような、そんな1カ月にしてほしい。
これは、2月10日に開催された、韓国の蔚山大学校で交換留学を行った学生による留学報告会の模様。
後輩学生が目を輝かせながら帰国者の話を聞く。
一年間分とは思えない時間帯の充実ぶりが、聞き手の関心を引き付けている。
二人は、どれほどの速度でこの帯を伸ばしてきたのだろう、想像に難い。
そして、こうした時間帯の継承が、大学の歴史を築き上げていく。
言わずもがな、時間帯の伸長を早められる術は、国際交流活動に限らない。
学生の皆さんには、日常から時間帯の伸長が早まるような毎日を送ってほしいし、筆者もそうあれるよう心がけて生きたい。
皆さま、よき花の金曜日、よき週末、そしてよき来週の一週間を。
(タナベ)
(青春の一コマ…H24.1/6付ニュース掲載 川瀬ゼミによるポンカンデイズ)