宮崎公立大学は前期・後期ごとに科目を履修できるセメスター制を導入しているため、10月1日からは後期授業が始まり、新学期を迎えました。夏季休暇を終えた学生たちも久しぶりに友達と再会し、キャンパス内のそこここで「久しぶり!元気してた?」という会話が聞こえてきます。
さて、10月から後期授業がスタートしたということは、9月末で前期授業が終了したということであり、留学などで卒業時期がずれた学生のための前期卒業式が9月30日に開催されました。不詳ながら私コバヤシが段取りを任されましたので、舞台裏も含めて前期卒業式の様子をレポートしていきたいと思います。
平成21年度の前期卒業生は7名で、内5名が卒業式に出席するということでした。どこの大学でも同じだと思いますが、後期卒業生と比べると前期卒業生の数は少なく、式典自体も必然的に小規模になります。しかし、学生1人1人にとってみれば、前期でも後期でも大学の卒業式は人生の一大イベントです。
私が学長と卒業式の打ち合わせをした際、最初に次のことを尋ねられました。
「あなたが前期卒業式の段取りを担当する上で、どのような心構えをもっていますか?」
私は次のように答えました。
「私は後期卒業式を担当したことはありませんが、小規模でありながらも後期卒業式と同じクオリティーの式であるべきだ、と考えています。」
すると、学長は次のようにおっしゃいました。
「私もこれまで全く同じ考えで前期卒業式に臨んできました。その心構えを最後まで持ちながら、式典の準備にあたってください。」
そういうわけで、張り切って準備しました。といっても大したことをしたわけではありません。出席者の連絡調整、式典のシナリオの作成、会場に飾るお花や懇談会のコーヒー・ケーキの手配、そして会場の設営をしたくらいです。
会場の設営には少しこだわりました。同じ課の先輩と相談して、デスクに2枚の白い布をかけてみたり、椅子の配置をセンチ単位で調節したり(O型は本気の時だけ細かいのです)、懇談会会場の喫茶室を全力で掃除したり、ゆったり座ってゆっくり話ができるようにテーブルと椅子を並べ替えたり。
そして卒業式当日。卒業生5名がやってきました。やや緊張した面持ちで会場入りです。
開式の辞の後、学長から卒業生に卒業証書・学位記が直接授与されました。
続いて、学長の告辞です。
冒頭は英語・スペイン語・グジャラーティー(インドのグジャラート州で話されている言語)の3ヶ国語での挨拶で始まり、まさしくその場にいる卒業生1名1名に、そして出席できなかった卒業生に語りかけるように、心のこもった言葉が投げかけられます。この時、私は「後期卒業式と同じ姿勢で取り組む」という学長の言葉の意味を理解しました。後期卒業式の大ホールの演壇で話す時と同じ熱量で、学長はスピーチをされていました。卒業生5名も真剣なまなざしでそれぞれにスピーチの内容を噛みしめているようでした。
次に、卒業生1人1人からお礼のことばをいただきました。それぞれが自らの大学生活を振り返り、お世話になった先生や職員の方々への感謝、そして自らが社会で果たすべき役割についての決意を立派に表明していました。涙で途切れ途切れになる声を聞いていて、私も思わずもらい泣き。こっそり涙をふいたはずが、式に出席していた図書館長から「コバヤシさん、泣いてたでしょ?」と式の終了後に指摘される始末です。それほど、卒業生のスピーチも胸にくるものがありました。数名の卒業生が一様に「先生や職員との距離が近く、アットホームな大学で学べて良かった」と言ってくれたことがうれしかったです。
閉式の辞の後は、記念写真の撮影です。今週は雨続きで心配していましたが、卒業式が開催された午前中だけ奇跡的に雨がやみました。
続いて、喫茶室へ移動しての懇談会です。コーヒーとケーキをつまみながら、恩師との語らいのひと時。卒業生も涙モードを切り替えて、楽しく談笑していました。
以上、無事に平成21年度前期卒業式は終了し、卒業生は力強く社会へ飛び立っていきました。彼/彼女たちの活躍を心から祈っています。