2011年2月4日 第74号 『基礎演習から、専門演習へ』

後期試験も終了し、学生達の少しホッとした雰囲気に引っ張られるかのように、冬の厳しい寒さもひと時の和らぎをみせている今日この頃ですが、皆さん如何お過ごしでしょうか。

今回の花金では、本学の演習科目をご紹介したいと思います。

本学では、1年次から「基礎演習Ⅰ」(前期:4月~9月)、「基礎演習Ⅱ」(後期:10月~3月)と呼ばれる(※)、少人数による演習科目を実施しています。
(※ 通称「基礎ゼミ」。15名程度の少人数グループによる、主体的に学ぶ姿勢や大学での学習方法を修得する科目)

「基礎演習Ⅱ」では、特に「問題の特定」から「分析・検討と考察」までを取り上げ、概論的な全体講義や図書館のより高度な活用実習なども織り交ぜながら、それらを活かした少人数での演習活動に取り組み、技能と態度の修得・発揮及び定着を目指します。具体的な到達目標は、「自らの知的関心・問題意識に基づく特定問題についてその解決を試み、成果と今後の課題の両内容を含む論述資料を作成・発表すること」です。また、学期末に開催される全員参加の発表・合評会により、各自の達成・成果の確認と今後の学生生活における諸課題の意識化を図ります。

そして去る2月1日(火)、1年次の「ゼミ」の集大成ともいえる合同発表会・合評会が行われました。

そこで早速、その会場の1つを訪れてみました。冒頭に記した学内の雰囲気とは一変して、そこは何やら緊張感に満ちていました。

この基礎演習Ⅱ合同発表会・合評会は、3ゼミ合同で行われます。つまり、単純計算して15名×3ゼミ=45名の学生、そして先生達の前で、1年生達はそれぞれの1年次の演習の成果を発表し、お互いに意見を述べ合うのです。

基礎演習Ⅰ・Ⅱ担当の加藤先生

基礎演習Ⅰ・Ⅱ担当の加藤先生

少し緊張しながら、説明を受ける学生達

少し緊張しながら、説明を受ける学生達

1年間の成果を発表している様子

1年間の成果を発表している様子

発表を聞く学生達も真剣です

発表を聞く学生達も真剣です

1年生達が大学に入学してはや1年、多少のおぼつかなさはあったものの、そこには今後の大学生活での学びの基礎をしっかり身に付けた学生達の姿があり、頼もしくも見えました。

 

本学では、この1年次に開講される「基礎演習Ⅰ・Ⅱ」を受けて、2年次後期から始まる「専門演習Ⅰ」、3年次の「専門演習Ⅱ」、そして4年次の「専門演習Ⅲ」と、大学生活を通して演習科目を必修にしています。「基礎演習(基礎ゼミ)」と「専門演習(専門ゼミ)」を通して学生達は、自ら考え、自ら学び、自ら行動できるようになっていくのです。

そして、3日(木)からは、宮崎公立大学で学生達が学んできた集大成、「卒業論文発表会」が実施されています。

そこで私は今回、2つのゼミにお邪魔しました。

1つめは、アメリカ人のニコル教授が指導する「American Studies演習」。このゼミでは、まずアメリカに関する様々な歴史や文化を学びます。その中で、学生自身が興味を持ったテーマについて自由に研究し、先生もそれを力強くサポートしてくれます。学生達はそれこそ、人種差別の問題から、アニメや映画を題材としたものまで、幅広く学ぶことができます。

American Studies 演習担当のニコル先生

American Studies 演習担当のニコル先生

アメリカ人の先生が指導するだけあって、学生の皆さんの発表も、冒頭こそ日本語で概要が説明されますが、あとはすべて英語による発表です。

発表会にはゼミ生だけでなく、2、3年生の学生達も訪れていました

発表会にはゼミ生だけでなく、2、3年生の学生達も訪れていました

4年間の集大成です

4年間の集大成です

先生とこの後発表を控えた4年生達が、苦楽を共にした仲間の発表を見守ります

先生とこの後発表を控えた4年生達が、苦楽を共にした仲間の発表を見守ります

 

第2弾として4日(金)は、「教育学演習」を訪れてみました。こちらのゼミでは、主に教職を目指す学生達が、住岡先生の指導の下、まずは教育学の研究対象と研究方法を学びます。その後は、前述の「American Studies 演習」と同じく、学生達が興味を持ったテーマについて、研究を進めていきます。

発表会前の様子

発表会前の様子

発表を前にしているにも関わらず、和やかな雰囲気でした。頼もしい…

発表を前にしているにも関わらず、和やかな雰囲気でした。頼もしい…

今回の卒業論文発表会では、「わが国のしつけ」であったり、「食育」の問題であったりと、まさに今、日本が直面する様々な問題に関する発表がありました。

ただやはり発表が始まると、皆真剣です

ただやはり発表が始まると、皆真剣です

 

発表後の質疑応答では、住岡先生からの鋭い質問が…

発表後の質疑応答では、住岡先生からの鋭い質問が…

 

 

宮崎公立大学では、入学時から卒業まで、学生が主体的に学ぶことができる環境が整っています。英語、情報・基礎科学、比較文化、コミュニケーション、国際関係、という5つの専門課程を柱にして、学生達は自らの興味・関心に基づき自由に学び、先生達はそれを力強くサポートしてくれます。

今回の後半でお伝えした、卒業論文発表会は一般の方々にも公表されており、6日(日)まで開催されます。各ゼミ発表会の日時等詳細については、
  http://www.miyazaki-mu.ac.jp/sotsuron/index.html
に掲載されていますので、本学を志望する高校生の皆さんだけに留まらず、地域の方々もお気軽にご参加ください!